最も多かったのは「退職者の補充」で、そのほか「新規事業の立上げ」、「事業拡大」、「契約社員を中途採用」、「年齢別人員構成のゆがみの是正」などがあり、「異文化の吸収のため」というものもあった。
ア. 企業規模別
「IT技術の人材不足」の回答が多かったのは「5千人以上」の企業で68.6%、「3・4千人台」で61.9%と、規模の大きい企業ほどIT技術者を求めていることが分かる。また、「即戦力人材採用システムに変更」は「1・2千人台」で47.5%、「千人未満」で45.5%の回答があり、他のいずれの理由より多くなっている。さらに、「グローバル化に対応」は「3・4千人台」で52.4%の回答があり、「1・2千人台」、「千人未満」の企業では「新規学卒者の採用が困難」なため中途採用するとの回答が10%程度あった。
イ. 産業別
「製造業」は、「IT技術者の人材不足」との回答が48.6%、「グローバル化に対応」が42.3%と、事業の新局面への対応のため中途採用が必要としている。また、「卸売・小売業・飲食店」、「金融・保険業、不動産業」では「即戦力人材採用システムに変更」の回答がともに46%程度あり、今後中途採用に重点を移してゆくことが予想される。なお、「運輸・通信業」は回答企業数は少ないが「即戦力人材採用システムに変更」と「IT技術者の人材不足」が共に66.7%の回答になっており、この業種も中途採用指向と思われる。
II 女性総合職の状況
いわゆる男女雇用機会均等法の施行を契機として民間企業に導入され始めた総合職・一般職制を主軸とするコース別採用制度の中で、同法施行後15年を迎えようとするこの時期に女性総合職の採用、登用がどのような状況にあるのか、その効果、今後の動向について調査した。