自主防災活動の活性化と行政の役割
早稲田大学文学部
浦野正樹
1. 自主防災活動の現状と課題
災害過程の諸局面におけるコミュニティ・レベルでの住民活動の諸相
「災害直後〜救出・救助期」(生死の境界/I)
「緊急避難〜避難救援期」(緊急避難〜避難生活/II)
「応急復旧・復興期」(がれき処理等の地域生活/III、地域再建に向けての諸活動/IV)
→→指標としての阪神・淡路大震災での対応実態
活性化に向けてのりこえるべき4つの課題
1) 緊急時の対応活動→日常的な生活を視野に入れた活動へ
(「防災まちづくり」「防災福祉コミュニティ」等の試み)
2) 地域社会の閉鎖性からの脱却(→外部社会とのさまざまな連携、開放的な活動へ)
3) サブ・リーダー群や地域資源の発掘
4) 活動理念や志向性の再構築
ポイントとしての、<災害弱者への配慮>、<正確な情報伝達のしくみづくりと支援ネットワーク(ボランティア)の育成・連携>
2. 災害過程の理解と地域活動の災害との関わり―過去の災害から学ぶこと―
1) 災害過程の理解
1] 時系列での変化の激しさ
2] 被災状況の違いによる地域情況の落差と多様性
3] 時空間を越えた社会問題の波及と連鎖
2) 復旧・復興過程の理解
⇒生活諸条件、生活資源の吟味と問い直し…生活設計の組み直しの過程
地域生活の将来像の再創造…地域の将来ビジョンの擦りあわせと合意形成過程
→→自主防災活動に要請される力
想像力(より深く災害を知りそれを活動に定着させていく力)
創造力(自立的に地域の問題解決をはかるため、活動を企画し組立てていく力)
総合力(活動を持続させ個別の活動領域を越えて対応していく力)