この大切な時期の子どもを担う中心は、一般的にはお母さんです。お母さんにどう育てられたか、母子のきずながどうあったかが、あとあとものをいうことになります。
それだけに、お母さんが果たす役割には、大きな責任があります。お母さんの中には、現代は昔と違い、知識や情報が豊富であるため、大きなプレッシャーを感じていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
そこで、母子が安心して成長するためには、先の二市のように、母子のきずなを守る制度の確立と、育児文化の見直しが必要であると思います。
筆者の相談室に来られるお母さん方を見ていましても、お父さんとのきずながしっかりできていて、協力的で、家族の温かいまなざしがあれば、自然と前に進んでゆけるのがわかります。また、子育て中のお母さん同志の情報交換も大切です。このような、周囲の人々との関係の中で、お母さんが一人の人間・女性として、豊かに生き、わが子と真にむき合えば、子どもは安定して育ちます。やがて子どもは親になるのですから、今の子育ては未来の親を育てる過程でもあります。
ところで、先にご紹介した二つの市の子育て支援事業には、多勢の職員や市民が関わられたと思います。
この取り組みを通して、子育て中の方々の中には、日頃の悩みや不安を軽減したり、ためていた思いを発散する場を見つけられた方もいらっしゃる事でしょう。
子育てが済んだ方の中にも、自分が子どもだった頃を思い出し、子どもの環境を考え、これらの取り組みにつよい関心をもたれた方もいらっしゃることでしょう。
どんなことでも、意識し、関心を持つことからはじまります。第二、第三の光市や真岡市があらわれて、全国各地に"おっぱい祭り"の輪が広がってほしいと思います。