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まえがき

 

当フォーラムのセミナー「海洋国家日本:その文明と戦略」(略称「海洋国家セミナー」)は、冷戦終焉後の世界において各国あるいは各地域が、一面においてグローバリゼーションの流れに身を委せつつも、他面においてむしろその故にかえって己のアイデンティティを再確認しようとしていることに注目し、一昨年度(第1期)においては、「日本のアイデンティティ:西洋でも東洋でもない日本」というテーマを追求した。続く昨年度(第2期)においては、そのような自己のアイデンティティ確認した上で、その基盤のうえに立って進むべき方向を考えることが重要であるとの観点から、「21世紀日本の大戦略:島国から海洋国家へ」というテーマについて考察した。

 

本年度(第3期)においては、これらの成果を踏まえた上で、「海洋国家日本の構想:世界秩序と地域秩序」というテーマを考えてみたいと思っている。当フォーラム会員を中心に学界、言論界、政界、経済界など各界から28名のメンバー(巻末資料3. 「第3期メンバー・リスト」参照)の参加を得て、4回にわたり「自由討論会合」を組織する予定である。このような本セミナーの討論の内容を会員各位のご参考に供するため、その討論の速記録を印刷に付したのが、この小冊子である。必ずや会員各位のご関心をそそるものと確信している。

 

第3期第1回「自由討論会合」では、森本哲朗メンバーより「世界海洋民族の海洋進出の歴史から何を学ぶか」について問題提起がなされ、つづいて全出席メンバー間で活発な討論が行われた。この記録は、その第1回「自由討論会合」の内容を取りまとめた速記録である。

 

なお、本セミナーの実施にあったては、読売新聞社の協賛を受けている。この機会を借りて改めて感謝の意を表したい。

 

2000年6月1日

 

[財]日本国際フォーラム

理事長 伊藤憲一

 

 

 

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