日本財団 図書館


(2) 高齢者・身障者のニーズ

次に、離島部の市町村の関係団体(社会福祉協議会、身体障害者福祉協会、老人クラブ連合会)を対象としたアンケート調査結果に基づき、高齢者・身障者が船舶利用時に気がかりとなっている点を整理すると表6-1-2のようになる。

これに基づくと、乗下船、船内での体調管理・トイレ、港までのアクセス、係員の対応の4項目で、特に改善ニーズが強いといえる。

利用者属性別にみると、肢体不自由者・視覚障害者は、いずれも乗下船、船内での体調管理・トイレ、港までのアクセスにおける改善ニーズが強いが、肢体不自由者では段差等の物理的障壁が主に問題となるのに対し、視覚障害者では誘導・点状ブロック等の情報提供が重要な点である。また、聴覚障害者では船内係員への依頼のしにくさ、内部障害者では船内での体調管理・トイレが特に問題とされている。高齢者も船内の体調管理・トイレに対する不安が大きい。

 

表6-1-2 高齢者・身障者の船舶利用時の気がかりな点

228-1.gif

注) 判定基準:アンケートで過半の回答のあったもの=◎

         〃   概ね1/3の回答のあったもの=○

         〃   何らかの回答のあったもの=△

 

(3) バリアフリー化の問題点

(1)(2)を踏まえると、長崎県の海上輸送のバリアフリー化の主な問題点として、以下の各点を指摘することができる。

 

<肢体不自由者>

*乗下船時の段差解消、通路幅員確保等の対応が不十分なため、肢体不自由者は利用しにくく、特に車いす使用者は海上輸送の利用を断念せざるを得ないことが多い。ただし、乗下船時は、停泊中のため船員の介助を受けたり、地上係員の介助を受けられる状況にある。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION