2-3 サンゴ礁
1) サンゴ礁の分布
(1) 分布と制限要因
サンゴ礁の分布域は約190km2で、全海洋面積の1%以下である。
最大のサンゴ礁はオーストラリア東海岸のグレートバリアリーフで、延長2000km、幅145kmにも達する。サンゴ礁の分布は等水温線20℃で区切られ、実質的には熱帯海域に限定されている。(図2-3-1、2、3)
造礁サンゴは18℃以下の水温には耐えられず、最適水温は23〜29℃である。
鉛直的には光を要求するため分布は有光層内に限られ、ほとんどの造礁サンゴは25m以浅にしか生息しない。
また、懸濁物や泥が多い環境ではサンゴの摂餌構造が目詰まりして、同時に太陽光が透過しにくいため濁った海には生息しない。
サンゴ礁の形成はプラヌラ幼生が硬い海底基盤に定着してから始まるため、サンゴ礁は大陸や島の縁辺部に存在する。