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2-2 干潟

1) 世界の干潟の分布

干潟は干満の差があり、かつ平坦な地形の場所に分布する。また、堆積物を運搬するため、河川の存在も必要である。

世界的に見た干潟(塩湿地を含む)の分布を図2-2-1に示す。干潟(塩湿地)は世界的に分布しているが、干潟が形成される場所であっても最寒月(北半球では1月、南半球では7月)の気温が16℃以上(遷移領域10〜16℃)の場所では、干潟にはマングローブが発達するようになる。

特に広大な干潟が発達している場所は以下のような場所である(地図より読みとり)。

・朝鮮半島西岸

・ナイル川河口(干潟と言うよりも、河口の湿地帯)

・フランス大西洋岸(地中海側は干満の差が少なく干潟が発達しない)

・オランダ〜ドイツ沿岸(ワッデン海・エムス干潟が有名)バルト海は浅く緩勾配の海域であるが、干満の差がほとんどないため干潟が形成されない)

・イギリス南岸(テムズ川河口干潟など)、

・アメリカ東海岸(フロリダ半島の北から、北カロライナ州ハッテラス岬に至る延長1000kmにもおよぶ塩性湿地として有名である)

・ラプラタ川河口

・チリ太平洋岸

 

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図2-2-1 世界におけるマングローブ林および塩沼地(干潟)の分布

日本学術振興会(編)東南アジアの植物と農林業、pp130

 

 

 

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