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これら測度をもとに次式によって積算優占度を算出し、ついで多様度指数を算出した。

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ただし、C'、H'、F'は、それぞれ被度、自然高、頻度の平均値のうち最も大きい値を100とし、これに対する相対値を示す。

また、多様度指数は次の式により算出した。

005-2.gif

ただし、niはi番目の積算優占度、Nは積算優占度の合計を示す。

 

(4)孤立林の面積と種数、多様度指数との関係

調査結果を表I-1-1にまとめた。

図I-1-2は、孤立林の面積と種数との関係を示したものである。回帰式はy=28.92+6.115 logx (xは孤立林の面積(m2))、r=0.231である。相関係数は、0.231と低い値となっているが、林分の形状や林床植生、それに林床の管理の違いなどさまざまな要因が、面積一種数関係に影響しているものと思われるが、当然のことだが面積の増大につれて種数が増える傾向を指摘できる。逆に言うと、面積が1/100になると種数は80%近くに減少することを示している。この減少率は少ないが、林分の面積が小さくなるにつれて、林縁が相対的に長くなり、このようなところに生育する種が相対的に多くなることが一つの要因になっているものと思われる。また、林床植生がササ型であれば一般には非ササ型に比べて種数が少ない傾向がみられる。この点については、既にいくつかの報告が出ている。

孤立林の面積と多様度指数との関係は図I-1-3および4に示されている。図I-1-3は林床全域から得たデータに基づいて算出した多様度指数との関係、図I-1-4は林縁部分を除いたいわば林分内部から得たものについて算出したものとの関係である。図I-1-3の関係は回帰式y=0.798+0.013 logx、r=0・235で示せる。また、図I-1-4は回帰式y=0.731+0.023 logx、r=0.452で示せる関係になっている。前者の場合相関はあまり高くないが、後者の場合、相関がやや高い。林縁を除いたことの効果と思われる。いずれにしても、これから林分の面積が減少すると、林床植生の多様度が低下することがわかる。

 

 

 

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