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新造時の検査としては製造検査及び第1回定期検査が行われる。

検査申請者(検査を受ける義務を有する者)は、製造検査(長さ30m以上の船舶)にあっては製造者(造船所)、定期検査にあっては船舶所有者である。

第1回定期検査に合格した船舶には、船舶検査証書(小型船舶にあってはそのほか船舶検査済票)と船舶検査手帳が交付される。

船舶検査証書の有効期間は一般に5年であるが、平水区域航行船(旅客船を除く)及び総トン数20トン未満の船舶(危険物ばら積船、特殊船、ボイラを有する船舶及び押船と堅固に結合して一体となる構造のものを除く)は6年となっている。

船舶検査手帳には、次回の検査時期、検査の種類、保守・点検の記録、検査の記録などが記入されている。この記録は船体、機関、設備等の履歴及び現状がわかるので、検査、修理工事の際に参考資料として活用できる。

船舶検査証書の有効期限が5年である船舶には船舶検査手帳の別冊として件名表が交付される。件名表には船体・機関・設備の要目・寸法等が記入されている。

a. 船内据付後の検査は主に次の項目について行われる。

1] 軸芯の調整については、機関規則第8条の規定

2] 機関の高温部分からの防熱措置等については、機関規則第9条の規定

3] 機関の操作等については、機関規則第12条の規定

4] 補機及び管装置の配置等については、機関規則第52条、第53条、第56条、第57条及び第58条の規定

5] タンカの補機及び管装置については、機関規則第84条第1項第2号及び第85条第1項の規定

6] 機関区域無人化船の燃料油装置などについては、機関規則第98条第1項第5号の規定

b. 海上試運転

1] 書類の審査

提出された試運転方案が船舶の用途などを勘案して適正であるか審査される。

2] 試運転の状態

試運転海域は、浅水影響のない深さとし、もし潮流が存在する場合は、可能な限り一様な流れである海域とする。なお、気象及び海象条件は可能な限り平穏な状況であること。

3] 速力試験

速力試験は、JIS F 0801、3.4(2)を標準として、船舶検査官が適当と認める測定方法により、各出力状態における前進中の船舶の速力を測定する。ただし、総トン数100トン未満の船舶にあっては、全力状態のみで行ってもよい。

 

 

 

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