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図6 平均有効圧力と圧力比の関係

 

過給機はラジアルタービンが主流であり、国内ではタービン効率上有利な空冷タービンケーシングを主に採用している。コンプレッサの材質も高圧力比に対応して従来のアルミ精密鋳造品でグレードアップを図ったり、アルミ鍛造の総削り品として強度を上げている。タービンは動圧パルスを有効に利用できるツインスクロール型が多く、低負荷から高負荷まで全域での高性能をねらっている。

 

2) 高圧噴射化

高出力にともなって多量の燃料を一定期間内に噴射することが必要となり、そのために燃料噴射圧力も高圧になってきている。

従来のボッシュ式ポンプでは長い燃料噴射管があるため、高圧化をすすめていくと、キャビテーションによる噴射管の損傷や2次噴射による性能悪化等が発生してくるので、高圧化にはおのずから限界があり、デリベリバルブにダンピングバルブを採用するなどして、現在90〜98MPa迄達成している。一方、上記の不具合を解消して更に100MPa以上の高圧噴射を可能とするため、噴射ポンプとノズルを一体化し、燃料噴射管を無くしたユニットインジェクタ(図7)を採用した高出力機関が出現している。ユニットインジェクタ方式では、高圧噴射によって多量の燃料を瞬時に、最適な状態で噴射出来るため、良好な燃焼とともに、燃料消費率も低減することが出来る。噴射圧力の比較を一例として図8に示す。

 

 

 

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