2) 警報装置
機関の運転取扱者や船舶の操縦者に、機関の異常状態を警報ランプやブザーをもって知らしめる装置であり、一般に次のようなものが装備されており、これらの警報が作動したときには直ちに適切な処置を行い、機関運転の安全を確保しなければならないので、殆どのものは操縦盤、制御盤、計器盤等にまとめて配置されている。
(1) 過負荷警報
通常は定格出力の110%以上で警報するようにセットされた過負荷警報を設けるよう義務付けられているが、殆どの場合は、110%過負荷で燃料噴射量を封印しているために、封印でこれに替えているのが普通である。
過負荷警報は、一般にコントロールラックが作動するリンク機構にマイクロスイッチを設け、リンクがそれ以上に燃料が増加方向に動くとスイッチが作動して警報ブザーを鳴らし過負荷運転を警告する。
(2) 潤滑油圧力警報
一般にLO警報と云われるものであり、機関や油圧クラッチの潤滑油圧力が最下限以下に低下すると圧力スイッチが作動し、ブザー又はランプを点灯し、焼き付きの危険を警報する装置である。焼き付きを生ずる直前の圧力でセットされる。
2・226図は機関油圧低下検知用の油圧スイッチでスイッチの内部にスプリングが圧縮されて入っており、エンジンの停止時や機関油圧が規定以下に下がるとスプリングにより接点が閉じ、油圧低下の表示をする。運転を始めて機関油圧が規定値以上になると、油圧によりスプリングが圧縮され、接点が開いて油圧低下の表示は消える。油圧の感知は一般にメインギャラリにて行う。