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2) ガバナの作動原理

ガバナ機構の基本構造は2・151図に示す如く、ガバナウエイトの回転遠心力と、ガバナスプリングのバネの強さを釣り合わせ、回転の増減により両者の力にアンバランスが生じたとき、図のガバナウエイトの動きによりシフタが動き、これに連動したレバーにより燃料の噴射量を自動的に増減して回転速度を常に一定に保持させようとするものである。

 

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2・151図 ガバナの基本機構

 

3) ガバナの性能

運転中エンジンにかかる負荷は常に一定しているとは限らない。一定の回転速度で運転中の機関の負荷を急激に変化させると、機関の回転数は上下に変動し、変化した負荷に応じた回転速度で整定し運転が継続される。この場合の瞬間的に変動する回転速度の割合を瞬時速度変動率と云い、整定した回転速度の割合を整定変動率、又整定までに要した時間(秒)を整定時間と云う。

それぞれの速度変動率は次式で算出され、機関の用途によりJIS規格や、船舶安全法でガバナ性能が規定されている。

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(注) 過渡的回転速度:負荷投入の時は変動最低回転速度 負荷遮断の時は変動最高回転速度

 

4) ガバナの構造と作動

(1) 単体形噴射ポンプ用機械式ガバナ

2・152図に単体形噴射ポンプ用機械式ガバナの構造の一例を示す。エンジンの回転速度を決める調速ハンドル、エンジンの回転と連動して回転するガバナウエイト部分、燃料ポンプの噴射量調整桿とその連結リンク、及び調速ハンドルとガバナレバを結ぶレギュレータスプリング、等により構成されている。

 

 

 

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