日本財団 図書館


また清水には防錆や、凍結防止のためロングライフクーラント(LLC)の使用が推奨されている。

 

066-1.gif

2・99図 清水冷却経路の一例

 

2) 構成部品

(1) 冷却水ポンプ

機関の冷却水ポンプは予備ポンプを除き、すべて機関直結で駆動され一般には回転式や往復動式ポンプが用いられている。回転式ポンプには渦巻ポンプやヤブスコポンプがあり、又往復動式ポンプにはプランジャポンプが用いられている。いずれにしても舶用機関においては非常に重要な装置であり、冷却水ポンプの故障は機関の過熱焼付きなど運転不能の重大事故となる。

1] 渦巻きポンプ

渦巻きポンプは2・100図に示すように砲金製の羽根車の外周に砲金又は鋳鉄製の渦巻形のケースを有するもので、中心部より冷却水を吸い込み羽根車(インペラ)の遠心力により接線方向へ圧送するポンプである。

渦巻きポンプは構造が簡単で特殊材料を用いない場合は安価であるが、自吸性が無いため、一般には清水冷却機関の清水循環ポンプとして使用されているほか、大型機関の海水冷却水ポンプとして用いられているが、中小形機関の海水用冷却水ポンプとしては殆ど使用されていない。

インペラは2・101図のような形状をしており又、ケーシングはクランクケースの一部として形成され、プーリで駆動されることが多い。

(点検と整備について)

(イ) ポンプ軸の曲がりやスラストスキマを計測し異常があれば修正する。スラストスキマはインペラとケーシングが干渉しない範囲内で極力少なくする事が望ましい。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION