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リリーフ弁やシートの当たりを点検し異常があれば修正する。又弁バネのへたりは交換するかシムを入れて開弁圧力を調整する。

(2) 潤滑油冷却器

冷却器が汚れ効率が悪くなると、冷却水又は潤滑油の入口と出口の温度差が少なくなるので分解しなくとも判断できるがそのためには新品時の運転記録が必要となる。

潤滑油の通路側は洗剤を使用しナイロンブラシなどを使って洗浄する。(突き棒などの使用は厳禁)又パンクや漏れなどの点検は、指定された水圧をかけて調査し、異常があれば原因を調べ部品交換するか修理する。

(3) コシキ

ろ紙式のものは決められた時間又は汚れがひどい時には交換する。その他のコシキはエレメントを洗い油で洗浄し、エアを吹き付けて清掃する。

遠心式フイルタはスラッジを取り除き、洗浄後ノズルの詰まっていないことを確認して組み立てる。

(4) 調圧弁

弁及びシートの当たりを点検し、軽微な傷は修正ひどいものは交換する。

弁バネのへたりはシムを入れて調整するか弁バネを交換する。

 

2.5 冷却装置

シリンダヘッドや、シリンダライナ、ピストンなど燃焼ガスに接する部分は高温となる他、主要運動部や摺動部等も摩擦によって発熱する。従って燃焼ガスにより非常に高温になる部分や、摩擦により発熱する部分は冷却しなければ膨張して焼き付き、運転が出来なくなる。

摩擦により発熱する部分の冷却は、潤滑油で行っていることは前項で述べたとおりであるが、燃焼ガスにより高温となる部分の冷却は、小形機関の一部に空冷式のものもあるが、殆どが水冷却方式が採用されている。

水冷却方式としては、以前は海水による直接冷却(海水冷却)が主であったが、最近では殆どが海水間接冷却(清水冷却)を採用している。装置としては、船底弁(キングストンコック)海水コシキ、冷却水ポンプ、清水冷却器、清水タンク、温度調整弁、水量加減弁等により構成されている。

1) 海水冷却と清水冷却の比較

(1) 海水冷却

海水でエンジンを直接冷却する方式で、海水の流れる経路の一例を2・98図に示す。海水は船底にあるキングストンコックより冷却水ポンプにより汲み上げられ、潤滑油冷却器を通り冷却水分配管よりシリンダ下部に入り、エンジン本体、シリンダヘッドを冷却して船外に排出される。

図では経路の途中に温度調整弁(サーモスタット)が追加してあり、サーモスタットの働きにより冷却水を設定した一定の温度になるまでは船外に出さず内部を循環させ、水温を設定温度に保つようにしたものである。これにより過冷却によるエンジンのトラブルを軽減することが出来る。

 

 

 

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