日本財団 図書館


035-1.gif

2・42図 シリンダの構造

 

2) シリンダライナ

シリンダライナは、シリンダヘッド、ピストン、ピストンリング等とともに燃焼室を形成する部品の一つで、機能面、耐久性の面からも非常に重要な部品である。

シリンダライナの摩耗は、機関性能の低下、潤滑油消費量の増加等、分解整備の間隔に大きく影響するので、耐摩耗性に優れたパーライト鋳鉄や、ボロン、燐、などを含んだ合金鋳鉄が使用されている。

シリンダライナには2・43図に示すように、ライナの外周を直接水で冷却する湿式ライナ(ウエットライナ)と間接的に冷却する乾式ライナ(ドライライナ)とがある。なお、このほか小形で使用頻度の少ない一部の機関には、ライナを使用せずシリンダを加工してライナとして使用しているスリーブレスのものも使用されている。

 

035-2.gif

2・43図 シリンダライナの種類

 

(1) 湿式ライナ

湿式ライナはシリンダライナの交換が容易に行え、ライナの冷却も良好であるため舶用機関にはこの構造が多く採用されている。

シリンダライナの内壁はピストン及びピストンリングが円滑に摺動出来るように精密な加工(ホーニング研磨)がなされ、上部は燃焼ガスのもれを完全に防止するため、シリンダヘッドとの間にガスケット又は銅パッキンを介してヘッドボルトで締め付けられ、燃焼室の気密性を保持すると共にシリンダブロックのインロ部でしっかりと支えられている。スカート部は冷却水がクランクケース内へ漏れぬように2〜3本のOリングが入れられ、スカート部は下方へ自由に熱膨張しうるような構造となっている。(2・44図参照)

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION