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3・46図 プロペラボスに取付けたAl陽極又はZn陽極

 

4) エロージョン(潰食)

エロージョンはコロージョンと異なりキャビテーション現象の発生に伴う気泡の崩壊時の衝撃圧力によるプロペラ羽根表面の物理的破壊作用である。気泡がおしつぶされる時の力は数千気圧とも言われこの非常な衝撃によってプロペラ羽根表面がおかされる。これをエロージョンと言う。エロージョンの初期には点々としたあばた状(凹み)ができる。この現象が進むと、羽根後縁の曲損、欠損が発生したり、また亀裂が発生したりすることがある。エロージョンは、プロペラ効率の劣悪化による船速の低下をきたす。

エロージョンの対策として

1] プロペラ羽根面積の増加をはかる。

2] プロペラ回転数の減少による羽根面荷重の減少をはかる。

3] プロペラ羽根断面形状の改善をはかる。

4] 船尾周りの流れ即ち伴流分布の均一化をはかる。

5] プロペラの水面下の深さ即ち没水深度の増大をはかる。

 

5) 鳴音

プロペラが水中で回転するとき、翼の後縁から規則正しい渦(カルマン渦)が発生する。この渦の周期とプロペラ翼の固有振動数が同調するとキーン・キーンとかウォン・ウォンとかいう音がきかれる。これをプロペラの鳴音という。鳴音はプロペラ性能には直接影響を与えないが、不快感を伴う場合には、翼後縁を修正し翼後縁から出る渦の周期を変えてやることによって比較的簡単に解消することができる。

 

 

 

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