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比重はバッテリ液の温度によっても変化するので、次式により20℃の比重に換算してチェックすること。

20℃における比重=実測時の比重+0.0007(実測時のバッテリ液温度-20℃)

注) 液温が20℃より高い時は比重は低く現われる。

液温が20℃より低い時は比重は高く現われる。

(ii) 充電

バッテリ液の比重は1.26〜1.28であるが、放電が容量いっぱいまで行なわれると1.1以下になり、起電力も1.8V以下になる。放電されたままにしておくと電極上の硫酸鉛(白っぽいもの)がふえ、ふたたび充電してももとにもどらなくなる。

また、使用しなくてもときどき電圧をはかり1.8?ぐらいに下がっていたら、充電してやる必要がある。充電は一定電流か、または一定電圧で行い10〜20時間かけるのが普通である。

完全に充電されたときはつぎのようになる。

1] 電圧が2.3〜2.5Vに上昇し、水の電気分解が起こり両極から気泡が盛んに出る。(陽極は酸素、陰極は水素)

2] 陽極がチョコレート色に、陰極が鉛色になる。

3] バッテリの比重が約1.28になる。

4] 1〜2時間毎に比重を測定し、比重が変わらなくなれば完全充電されている。

(注) 完全充電された時の比重は1.26〜1.28であり異っていれば調整すること。

 

2) 空気始動装置

空気始動装置は空気槽にたくわえられた圧縮空気をシリンダ内に吹き込んでエンジンを始動させるものである。2・141図に示すように空気槽、分配弁、始動弁から成っているもの(点線)と別に操縦弁と塞止弁を追加したもの(実線)とがある。系統の代表的なものには次の様なものがある。

 

136-1.gif

 

(1) 空気槽

(a) 構造と機能

付属装置を取り付けた弁箱と空気槽本体とから成り、始動用空気を最高29.4MPa(30kgf/cm2)の圧力で貯える。容量についてはエンジンの大きさ、用途により若干相違はあるが船舶安全法に準じ装備している。付属装置として空気槽始動弁、空気槽充気弁、ドレン抜き弁、安全弁、圧力計、鉛栓等が取り付けられている。

 

 

 

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