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6. 舶用機関のコンピュータを活用した電子制御システムについて

 

6.1 はじめに

近年、ディーゼル機関に対し、低燃料消費、低公害排気、信頼性等の両立の難しい特性が厳しく要求されるようになり、この解決法としてコンピュータを搭載した電子制御システムを採用するエンジンが急激に増えている。

特に、NOx低減など、環境保護に対する規制が先行している、トラック、建設機械用エンジン等、車両分野は、この革新的な技術の導入にいち早く取り組んできた。コンピュータ搭載の電子制御システムは、この分野で、大量生産技術、振動、環境変化など、実用化に伴う課題を解決してきている。

こうして、先行した車両搭載エンジン市場での経験と技術は、直ちに舶用エンジンに導入されたが、格段に優れたエンジン性能と、確立された信頼性が認められ、急速に舶用市場に進出している。

とくに、最近になり国際海洋汚染防止法(IMO規制)が動きだしたため、NOx低減や、燃料費低減にとりわけ有利な電子制御エンジンが、ますます注目されるようになった。

さらに、電子制御エンジンは、コンピュータの能力を活用し、エンジンの保護、故障予知、故障診断機能を充実させることにより、エンジンの総合的な信頼性向上を実現している。

ここでは、エンジンの電子制御化に、積極的に取り組んでいるメーカーの一つで、最新のコンピュータ搭載電子制御システムを導入している、キャタピラー社のエンジンを例にして説明する。

 

電子制御エンジンの例

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