日本財団 図書館


(4) 保守点検

1] 運転中は定期的に封水状況の確認を行う。若干の漏れは潤滑、冷却をよくするため最もよい状態である。

2] 上架前には必ずインフレタブルリングの作動確認を軸停止時に行う。

3] インフレタブルリングの空気圧を長時間にわたって0.8MPa(8kgf/cm2)以上にしないこと。また、軸回転中には絶対に作動させない。

4] シール装置近傍に必ず集電装置を設置し、油分の付着や作動不良の無いよう保守点検は充分に行うこと。

5] 送水管系の海水管及びバルブ類は、それぞれ汚れに応じ適宜掃除のこと。

6] 火炎、火の粉が直接シール装置にかからないよう火気取扱に注意のこと。

(5) 部品取替え基準

漏水が著しく(100〜200l/day)、数日以上続きかつ改善の兆候が認められない場合には、シールを点検し、必要に応じて部品交換あるいは修正を行い、必ず予備品を補充のこと。

1] シールリング

シールリングの寿命としてはおおよそ2〜4年、深喫水の場合は多少これより早くなる。シールリング交換の際には、ガータスプリングも併せ新替えのこと。

2] インフレタブルリング(緊急用シール)

おおよそ5年程度使用可能であるが、できるだけ軸抜き時に新替えすることを勧める。万一、軸回転時に作動させて破損した場合には速やかに新替えのこと。

3] メイティングリング

メイティングリングは摩耗しても切削して再使用することができる。切削量が大きくフランジ部肉厚がおおよそ10mm程度になった場合は新替えのこと。

メイティングリングの切削要領

摺動部摩耗深さが0.5mm以上の場合は切削のこと。切削は7・11図の如く摺動面切削量Aと同量取付フランジ面の切削を行う。

 

219-1.gif

7・11図

 

4] Oリング

傷、接着部のはがれや異常変形がなければ4年程度使用できる。ケーシング開放時に状況判断の上新替えのこと。

2) 油潤滑軸受の場合

リップ式軸封装置の新造時の取付要領などについてはメーカの説明書によるものとする。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION