このダンパの弾性ゴムが変質したり亀裂を生じたり、シリコンオイルがもれたりすると、ダンパとしての機能が失われ、振動を吸収できなくなり、捩り振動で共振して、軸系に大きな回転振動を起こすことがある。このような捩り振動による共振は、軸の折損や、ギヤの破損、噴射ポンプなどの故障を誘発する原因となるので、このような危険回転域をさけて運転すると共に、ダンパを点検し、必要ならば交換又は修理しなければならない。
(2) ダンパ不適合
ダンパを設けていない機関の場合に、捩り振動の共振を常用回転域で発生する場合は、軸径を太くしたり、ダンパを設置するなどの対策が必要となる。
そのような場合は、捩り振動の計算を行ない、最も効果的な方法を用いて対策しなければならない。ダンパならば何でも設置すれば解決するわけでもないので、適切なダンパを取付けれるように、検討しなければならない。
6) 危険回転域での使用
(1) 付加応力大
主として、1節、2節振動の常用回転域において、捩り振動の振巾が大きくなると予想される場合、その次数を明らかにし、どの程度の付加応力になるかを示す計算書を作成し、客先又は管海官庁などへ提出しなければならない。このような付加応力が許容限界線をオーバする時は、ダンパを設けるか軸径を変えるなどの対策を行ない、許容範囲内におさまるようにしなければ実用に供することができない。
なお、捩り振動については「補足資料3.振動」を参照のこと。