機関の振動は、ピストンやロッド小端部の往復動による慣性力と、クランクピン、アーム、ロッド大端部の回転による遠心力、さらにクランク軸を中心とする回転モーメントなどの不釣合、並びに爆発力で生ずる回転変動によるトルク変動などにより、機関が振動する。
機関の振動がシステム全体の起振源となり、それらの弾性体に振動を伝え、軸系においては捩り振動が発生する。いずれも振動体の固有振動数と共振した時に、その振巾が大きくなり、振動や捩り振動の問題として不具合が発生するのである。
実用上は、クランク軸のダイナミックバランス、ピストンやロッドのアンバランスなどを除くことにより機関自体の振動を軽減し、ダンパ装着により捩り振動を吸収緩和する方法が採用されているので、殆んど問題化することはないが、以下に示す故障を発生すると、問題となるので早めに対策しなければならない。