4) リンクの作動不良
(1) 連結リンクの不良
直列機関の場合は、リンクのこじれ、曲がり、ピンの摩耗などにより、連結リンクの作動が円滑に動かなくなると、ハンチングを起こすことがある。曲りやこじれ、ピンなどの摩耗によるガタを修正しなければならない。
また、V形機関の場合は左右の連結リンクが曲ったり、こじれにより円滑な作動ができなくなると、噴射量がアンバランスとなり、ハンチングを起こすことがある。曲がりやこじれなどを修正し、連結リンクを取付ける場合は、右側のガバナ付噴射ポンプのコントロールラックを、一様に押し込み(無噴射状態)、左側の噴射ポンプのコントロールラック(常にバネにより引き戻されて、無噴射状態となっている)の連結リンクピン穴を、ターンバックルを調整して合せ、ロックナットで固定してから、連結ピンを挿入して連結する。この時、ピン穴にわずかのずれがあると左右のコントロールラックの動きに差異ができるので、ピン穴にずれが生じないように、ターンバックルを調整しなければならない。
(2) ユニットポンプ
軸やリンクが曲ったり、こじれたりすると円滑に作動できなくなるので、ハンチングを起こすことがある。
曲がりやこじれなどを修正し、円滑な作動ができるように修正しなければならない。
各シリンダのコントロールラックと軸をリンクで連結する時は、軸が回転しないように、ストッパを差し込んでおくとやり易くなる。
またスピードコントロールレバとリンクを連結する時は、コントロールレバを停止位置に固定し、リンクの連結ピン穴をターンバックルで調整して合わせ、ピンを挿入して連結する。
5) ガバナの故障
(1) スプリングの摩耗へたり
ガバナスプリング、低速バネ、アイドリングサブスプリングなどに、へたりを生じた場合はハンチングを起こす。RSV、RSUV形の場合はスイーベルレバのアジャスティングスクリュを締め込んで調整するが、その他のものは、ガバナスプリング(低速バネ)を交換するかシムにて調整しなければならない。
アイドリングサブスプリングの場合は、ネジを若干締め込んで調整する。
(2) ウエイトピン等の摩耗
フライウエイトのピン部が摩耗すると、ハンチングを起こす。またスリーブやベアリングなどが摩耗すると円滑な作動ができなくなり、ハンチングを起こす。
特にフライウエイトが大きな場合は、ピン部の摩耗が早くなるので、ハンチングを生じ易いので注意しなければならない。