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d] 指圧器などによる図示出力から算出する方法。

主機関においては、この中でa]の方法を一般的に採用している。

2] 燃料ポンプラック目盛と回転数から算出する方法(例:前出機関とする)

a] 154頁の陸上試験の成績表より各負荷の燃料ポンプラック目盛り(Ra)、回転数(n)、及び燃料油入口温度、燃料油の性状(比重0.8596(15/4)℃、低位発熱量10,120kcal/kg)を出す。

b] 各負荷の出力を回転数で除した値をAn(トルク係数)とする。

147-1.gif

c] 各トルク係数を燃料油入口温度に係数0.00065/℃を使用して15℃の比重に換算する。

A1=1.05、A2=1.66、A3=2.18、A4=2.64、A5=2.82

d] 縦軸に各トルク係数、横軸に各燃料ポンプラック目盛の関係を表すとトルク係数チャートとなり、157頁の5・29図に示す。

e] 出力(Ne)の算出

Ne(kW)=An×n(min-1)  An:トルク係数 n:回転数

注1:使用燃料油の比重、発熱量により換算が必要なときは次式によりRaを算出してから、トルク係数をチャートより読みとる。

Ra=ra×Ga/0.860×Ca/10120

Ra:修正ラック目盛

ra:読みとりラック目盛

Ga:使用燃料油の温度換算(15℃)比重

Ca:使用燃料油の低位発熱量

注2:燃料ポンプのセッチングが製造時と大幅に異なったり、燃料ポンププランジャが酷く摩耗していると、正確な出力とならないことがある。

3) 性能曲線でのチェック

156頁の5・28図性能曲線上に各計測点をプロットするが、このチェックで注意することは

1] 横軸のデータは回転数や見かけの負荷ではなく157頁(2)で算出した出力とする。

2] 各計測点は、計測上の誤差等もあるのでプロットするときには、点ではなくある程度の面積を持った丸(○)とする。

3] 陸上運転と比較して過給機へ供給される空気が、狭く温度の高い機関室内よりとなるため、給気圧力が下がることで最高圧力も下がり、逆に排気ガス温度が全般に高くなることがある。

 

 

 

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