1] 機関の取扱状況
2] 総稼働時間および前回整備時よりの稼働時間
3] 使用回転速度と稼働形態
4] プロペラマッチングの状態(固定ピッチの場合)
5] 可変ピッチプロペラの作動形態
(2) 保守条件
現状聴取のチェックポイントとして、異常温度、音、振動及び漏れの状況のほか、機関の履歴簿(今回までの整備状況、修理状況および部品の交換状況)をチェックしながら次の事項についても調査することが必要である。
1] 連接棒ボルトの使用(時間)状況
2] 連接棒ボルトの締め付け状態
3] 機関据付ボルトの締め付け状態
4] ピストン周りの保守と整備状況
5] 吸・排気系統の保守と整備状況
6] 起動空気系統の保守と整備状況
7] 起動電気系統の保守と整備状況
8] クランク室過圧防止装置(逃がし弁)の保守と整備状況
9] システム油、燃料油およびその系統などの管理状態
10] シリンダ冷却水の管理状態
11] カム軸駆動装置の作動状態
12] 燃料ポンプおよび吸排気弁駆動装置の作動状態
13] 燃料高圧管や油圧配管などの整備状況
14] 操縦装置の作動状態
15] 過給機軸受けの使用(時間)状態
16] 過給機の保守と整備状況
17] 弾性ゴム継手などの保守と整備状況
18] ダンパ・バランサなどの防振装置の作動状況と保守・整備状況
19] 減速機や逆転機の作動状態と保守・整備状況
20] 可変ピッチプロペラの作動状態
(3) 故障状況の確認
機関長より故障(事故)状況を確認するとともに、事故の情報が入った段階で、できる範囲内の現状維持のための要領を、現場に指示することが重要である。また、事故の状況はできる限り細かく、かつ確実に把握してメモすることが大切である。例えば、現場に出向いたとき、故障部品が散らばっているからといってあわてて集めるのではなく、どんな部品が、どっちの方向に、どんな形で、どのようになっているかといった位置や距離の関係、破損、変形や異常の状況をメモすることが非常に重要で、故障の原因を突き止める一つの道しるべとなるはずである。