3. 朝倉町の地域特性を活かしたまちづくりの基本的考え方
(1) 生活風土空間の保全・活用理念
1] 朝倉町の課題に対する問題解決策の展開手法
第2章「朝倉町の農村景観特性」の考察の中で、本町がもつ良好な農村景観が「地形」という大きな土台のもとに成立していることが明らかになった。特に、バラエティに富んだ地形条件に「農業的土地利用」、「居住地分布」、「歴史的遺産の分布」等の諸要素が重なり合い、朝倉独自の農村景観のまとまりを構成し、町全体が「生活風土(注)空間」としての魅力を増幅していることも明らかになった。
一方で、様々な角度から検証された本町の課題も明らかになった。
上のように、本町が持つ課題に対する問題解決策を考える場合、問題の発生理由が直接的あるいは間接的に、土地利用や地形条件等の地域特性、国道386号の位置関係等に依存して説明可能である。
このことから、土地利用・地形条件等に応じ、区域毎の問題解決策の展開が有効であると考えられる。これはすなわち、問題の解決策を具体的な空間におとしていく、あるいは住民の活動に結び付けていくということであり、課題解決を通して生活風土を守り、育てていくことである。
その結果として、町総合計画にある「全町公園化構想」の展開に寄与する具体案として成立するものである。
(注)生活風土:
一般的に、その土地の気候・地味・地勢など。ここでは、気候や土地の人と関わる自然のあり様だけでなく、歴史・文化や人々の生活風習を含めた、町民生活の舞台全体を捉えた造語。