第四章 景観及び歴史・文化遺産を保全、活用した地域振興事例
1. 農業生産法人有限会社農業公園信貴山のどか村(奈良県三郷町)
−地域ぐるみの共同経営、農業生産のこだわり重視で都市住民の支持を獲得−
(1) 地域の概況
1] 三郷町
「農業公園信貴山のどか村」がある三郷町は奈良県西北部に位置し、大阪府と接して生駒山系の南端に位置し、標高差が約450m(最高487m、最低35m)もある西は生駒山脈の山頂を境に大阪府八尾市と柏原市、南は北葛城郡王寺町、東は生駒郡斑鳩町、北は平群町に隣接。奈良市中心部から約25km、大阪市中心部から約35kmの距離にありJR関西線三郷駅から奈良駅まで約20分、大阪駅まで約50分で到着可能。平坦部にはJR、近鉄、国道25号が走っており、交通至便。昭和30年代中頃から大阪を中心とする大都市圏のベッドタウンとして人口は増加している。
人 口:24,161人(人口増減率(95/90):4.5%、高齢者比率:14.6%)
面 積:8.80km2(可住地面積5.61km2)
就業構造:第1次0.8%、第2次29.9%、第3次69.3%
資料:国勢調査(90・95年)、全国都道府県市区町村面積調(97年)
2] 南畑地区
○「のどか村」のある南畑地区は、三郷町の西端、大阪府、奈良県の境にある金剛生駒国定公園の中央部に位置している。標高270〜370m程の中間地域で豊かな自然に恵まれているものの急峻な地形である。
○近隣には「関西の日光」といわれる信貴山朝護孫子寺があり、周辺部の高安山から信貴山にかけて奈良盆地が一望できる信貴山スカイラインが走り、年間約60万人の観光客が訪れている。