人材の発掘は、工業組合が、そこに加入している各窯元を通じて行い、その人材の登録や、ガイドとしての養成などは、観光協会が担うことなどが、想定される。
(3) 各種団体の担うべき役割
ア 観光協会の役割
前節でも幾つか例示したように、観光協会は、産業観光を振興するうえで、主要な役割を担うことが期待される団体である。市内の各地区は、今後、地区独自の産業観光振興活動を展開することになるが、こうした各地区ごとの取組を調整して、市全体の産業観光振興活動を統括していける既存団体としては、観光協会が唯一の団体である。したがって、観光協会には、産業観光を振興していくうえで、各地区間、あるいは民間と行政、窯元と卸商など、異なった立場の人々が、小異を捨てて大同団結できるようなつなぎの役割を率先して担うことや、市全体の産業観光に係るPR活動や調査・企画など、全市的な観光振興の実践部隊としての役割を担うことが、期待される。
イ 美濃焼産業活性化委員会
本市では、産業界や市民など広く各分野からの参加を得て、美濃焼産業の活性化を全市的に検討する組織として、平成9年に「美濃焼産業活性化委員会」が設置され、また、これに平成11年に三つの「専門部会」が設置されている。産業観光を振興していくうえで、「美濃焼産業活性化委員会」には、全市的な視点での基本方針への合意形成に果たす役割や、具体的施策展開のための行政と住民・各種団体をつなぐ役割、民間主導的な形での事業の実施機関としての役割などが、期待される。
(4) 市が取り組むべき事項
ア 産業観光推進のための体制整備
(ア) 庁内連絡調整体制の整備
各地区からあげられた計画内容のうち、実現可能性の高い事業については、各地区の計画を支援するため、事業内容の調整などとともに通常事業のなかで積極的に取り組むなど、事業化を図ることが必要である。
また、都市計画や文化関連事業、広報活動など、産業観光振興と関連性のある市の事業については、相互に連絡調整を密にはかることによって、より効果的に事業を実施し、無駄な投資は避けるべきである。