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エ 整備構想の検討

(ア) 地区の特色と課題

市内で最も集客力のあるどんぶり会館から至近距離にあるが、そのインパクトを活かしきれていない。

周囲を丘陵に隔絶されていて、地形の制約もあって陶磁器事業所が高密度に集積しており、本市を訪れる観光客に対して、山あいに“隠れ里”的に存在する陶磁器のふるさとといった印象を、強くうえつける環境が形成されている。

しかしながら、商店や公共施設のショーウィンドウなどに地区住民の自発的な取組で設けられている街角ギャラリーは、展示物が置かれていない所もあるなど、十分に機能しておらず、陶磁器の街を印象づけるためには、より積極的な取組が求められる。

また、市街地には、古い様式の公共建造物や造り酒屋、旧駄知線跡やレンガ製の煙突などが残るほか、市街地中央には小河川が流れるなど、昔を偲(しの)ぶ穏やかな景観を形成しうる大きな要素を有している。こうした未活用資源を有効に活用していくことが、今後の取組には望まれる。

 

(イ) 産業観光振興上の当該地区の課題

当該地区における産業観光を振興するうえでの課題は、次の通りである。

 

●当該地区への入り込み観光客は、どんぶり祭りなどの陶器市や薪能などのイベント時に限られ、それ以外の通常時における観光客の入り込みは、極めて限られている。

●これまで観光振興に目を向けられることがなかったことも起因して、当然ではあるが観光客の受け入れ体制が整っていない。

●当該地区での交流人口を拡大し、観光振興を図るためには、特色ある観光客の受け入れ体制の整備と平行して産業観光地としてのパブリシティ(知名度、周知、宣伝)を高める必要がある。

 

 

 

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