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(4) 名古屋市近郊における産業観光の取組状況

名古屋地域には、平成10年度の年間観光客入り込み数が約2,000万人を数えるなど、一定の観光客の入り込みはある。だが従来、この地域は、生産の場としてのイメージが強く、観光地としてのイメージは希薄であった。そこで、平成8年、こうしたイメージを逆手にとって、生産の現場を観光客に見て触れて体験してもらおうと、愛知県内観光団体や名古屋商工会議所を母体にして、産業観光推進組織を立ち上げ、産業観光キャンペーンをスタートした。

中学・高校の修学旅行県別旅行先では、中学校で愛知県34位、岐阜県29位、高校で愛知県24位、岐阜県23位と(日本修学旅行協会平成8・9年度調査)、愛知県や岐阜県は必ずしも上位には入らないが、こうした状況を打破して修学旅行団体の誘致を図るため、平成9年度には、各都道府県市町村教育委員会にダイレクトメールを発送するとともに、周辺の各資料館などとの調整を図りモデルコースを設定している。モデルコースは現在、宿泊・日帰り型、交通手段別、目的別、旅行人数別に、25コースが設定されている。

また、産業観光のPRのために、アジア各国の旅行業者を招いての産業観光見学会などの開催、定期観光バスヘの産業観光パンフレットの設置、モデルコースのパンフレットの発刊、ホームページでの紹介などを行っているほか、毎年度産業観光スタンプラリーを開催するなどしており、一定の成果を上げている。

なお、モデルコースのなかには、愛知県陶磁資料館(瀬戸市)のような陶磁器関連施設や、かがみがはら航空宇宙博物館(各務原市)などの岐阜県内の施設も含まれており、今後、本市がこうした取組に加わっていくことも考えうる。

 

 

 

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