日本財団 図書館


(3) 陶磁器生産地の観光入り込み状況

本市をはじめとする東濃西部地域の観光を考えるうえで参考にするため、本市と同様に陶磁器生産地として有名な各地域における平成10年度の観光客入り込み数をみると以下の通りである。陶磁器産地のなかでは筆頭は、茨城県笠間市の約310万人であり、以下、愛知県瀬戸市の約200万人、栃木県益子町や愛知県常滑市の150万人台、滋賀県信楽町及び佐賀県有田町が約140万人、そして本市の約117万人と続く。

このうち、観光客の集客力の高い笠間稲荷を有する笠間市及び約300万人の年間利用者を数える青少年公園を抱える瀬戸市を除き、陶磁器関連の観光資源が観光の中心になっている地域での観光客入り込み数をみてみると、概ね140〜160万人程度である。これに対して、本市の観光客入り込み数は、約117万人と他の陶磁器生産地に比較して20〜30万人程下回っている。

他の陶磁器生産地での観光客入り込み数が本市を上回っている理由としては、以下の点が考えられる。一つには、春のゴールデンウィークや秋の行楽シーズンにおいて1週間程度の連続した陶磁器関連のイベントを開催していることである。また、他の観光地と連携し、温泉やイチゴ摘みなど陶磁器鑑賞・購入以外の要素を加えた定期観光ツアーの運行するなどの観光開発により、観光客の拡大を図っていることも理由と思われる。

民間主導型による陶磁器を活かしたまちづくりが成果をあげつつある常滑市(やきもの散歩道など)では、平成5年度の約120万人から、この5年間で、さらに約34万人(28.1%)、観光客の入り込み数を増やしている。常滑市においても、やきもの散歩道などによる観光開発に加えて、ツーリスト会社によるタイル博物館と他の観光地・温泉地とを連携した観光開発などを積極的に推進し、観光客の拡大に努めている。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION