2 地形
本市は、木曽川、長良川、境川に挟まれた海抜0mに近い沖積低地に展開する。全域が平坦地で、市内を桑原川と逆川が流れている。
3 輪中と織物のまち
(1) 輪中のまち
岐阜県では、北部山岳地帯を水源とする大小200余の河川が南流し、その多くが県西南部の木曽・長良・揖斐の3川に合流し、網状川をなして伊勢湾に注いでいる。長良川・木曽川河口にあって、群小デルタが散在する辺り一帯は、古くは氾濫原であり毎年のように水害に見舞われてきた。
このため農民たちは、低地の周囲に堤防をめぐらすことによって内側の耕地と住居を水害から守ろうとしたが、この堤防に囲まれた集落は「輪中」といわれる。
輪中は、水防共同体としての組織と機能を持ち、とりわけ生命線ともいえる堤防の維持管理については、厳しい規制が設けられていたという。住民同士のつながりがあることは住みよい町の第一条件であるが、この地域には、こうして自分たちで水害から土地を守ってきたコミュニティの歴史がある。
(2) 織物のまち
木曽川、長良川に囲まれ、毎年のように洪水被害を被るこの地域では、長年にわたり水害に強い農作物が導入されてきた。その一つがクワであり、明治の中頃になると、繭の集散場所となり絹織物の生産が行われるようになった。
やがて昭和31年(1956年)の濃尾大橋の完成に伴い、毛織物の本場の尾西市、一宮市と直結したのを契機に毛織物の生産も盛んになる。織物業は地場産業としての地位を確立し、市の経済を支えてきた。
昭和40年代後半からは、構造的な不況の影響で衰退するが、それでも平成7年の第2次産業人口の割合は48.0%と他市に比べると高く、繊維製造業に特化した産業構成になっている。