3 ヒアリング調査により確認できた地域課題
ヒアリング調査により確認できた地域課題は、次のとおりである。
(1) 町の規模に起因した課題がある
・各団体の規模が小さく、独自性のある事務事業の遂行に必要な人員の確保や、専門家の配置が困難である
・町内の連携が行われているが、事業規模が小さく成果をあげているものが少ない
(2) 町内の意思疎通がやや不充分である
・住民の生活圏域の広域化に伴い、地域とのつながりが弱くなり、住民同士の顔が徐々に見えにくくなってきている(特に、三沢市に近い区域など、人口が増えている地域では、新しい転入者の比率が増え、地域を知らない人、地域との関わりが弱い人が増えてきている)
・各種団体間、各種団体と行政との交流や協議の場が少なく、意思の疎通や情報交換が不足している
・各種の取組が行われているが、住民参加の仕組みが弱い
(3) 農産物の出荷体制が弱い
・農産物の生産量が少なく、市場が必要とする一定の生産量(ロット)の確保が困難である(JA百石実行農協のいちごジャムは好評だが生産量が少ない)
・資金回収の安全確保のため、出荷の大部分が農協を通した形態で行われている
(4) 各町単独では、観光資源としての魅力に乏しい
・集客力のある施設が少ない、観光客は地域で時間をつぶせない
・十和田湖方面へ素通りされる
・宿泊施設や特産品が不足している
・イベント以外の集客が少ない
(5) 有効な観光資源が活かされていない
・農業や漁業の体験学習を実施していたが、学校側の協力が得られなくなったため、現在は実施していない(農業・漁業体験の無い教員の増加により理解されにくくなってきている)
・百石海岸の地引き網は、天候に大きく影響されるため、単独では観光資源として成り立ちにくく、観光ツアーの中に組み入れるのが難しい
・白鳥が飛来する湖が点在するが、観察できる施設が少ない
・公園や運動施設などが整備されているが、特定の時期しか利用されていない