ウ 実質単年度収支に対応する指標
=当年度利益金−資産評価益
エ 起債制限比率に対応する指標
=地方債残高/(当年度利益金+減価償却−資産評価益)
※債務償還能力を示すことが重要という観点から、負債残高に対する当年度の償還財源の割合(いわば償還可能年限に当たる。)を求めている。
オ 財政力指数に対応する指標
=(経常収入−地方交付税−資産評価益)/経常経費
発生主義に基づく上記の新たな指標を実際の地方公共団体について算定し、現金主義に基づく既存の指標との相関関係を見ると、ある程度の相関関係は認められるが、極めて高い相関関係があるわけではない。すなわち、新たな指標は、既存の指標とは別の独自の意義を持つものと考えることができる。
したがって、地方公共団体の財政分析に当たっては、現金主義に基づく指標と発生主義に基づく指標の両者を併用することにより、これまで以上に実態を反映した分析が可能となるのではないかと期待される。