日本財団 図書館


V 研修カリキュラム等

 

1. 研修生の選考基準

1. 研修生の選考基準と要領

(1) 研修生の条件は喉摘者であることが原則である。これはアジア連盟の規約に明記されてあり、かつ喉摘者の発声指導には喉摘者自身が当ることが最もベターであることは経験的にも明らかである。

(2) 年齢は50歳台までが最も適任で、しかも健康であることが条件である。

(3) 食道発声をある程度話せることが必要で、全く不可能な人を3ヶ月の短期間に発声実技と指導者要員に育てることは極めて困難である。

(4) 教育的、社会的そして経済的にある程度のレベルに達していること、このいずれかが欠けていると帰国後の福祉活動、とくに指導員としての活動が十分に出来ないことになる。

(5) 派遣前に本人の経歴、病歴、家族状況、連絡先、性格、経済状態など参考事項を前以って書類で送って欲しい。

(6) 最後に希望として、帰国後は各委員のご援助をいただき、団体の結成あるいは会の活性化について積極的にご指導をお願いしたい。

2. 研修面

(1) 知識面の指導ではないが、デリケートな技能テクニックについて、日本語〜英語〜自国語の翻訳面でしばしばネックになることがある。

(2) 音声が出ない上に字が書けないと、日常生活においても意志表示が出来ない。

3. 短期研修と長期研修

現在、招致研修には研修期間1ヶ月の短期研修と研修期間3ヶ月の長期研修の2種類がある。

とくに短期研修は1ヶ月間であるから、指導技術取得に専念できる研修生の推せんが必須条件となる。

日本からの派遣研修において、短期研修に招致できる候補者の或程度の見通しがつけられることが望ましい。

4. JICA応募への取組み

毎年8月から3ヶ月間実施されるJICA委託の招致研修は6月1日までに各国政府からJICA事務所へ申込むことになっている。

喉摘者団体或いは個人から直接申込むことはできない。

各国政府のなかで、どの部門がJICAに対応しているのかを知っておき、その部門と平素から連けいを密接にしておくことが望ましい。

JICAコース名称および番号

INSTRUCTOR's TRAINING OF ESOPHAGEAL

VOCALIZATION

一般特設:喉頭摘出者のための食道発声指導員養成

COURSE NO,:J-01-03397

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION