第二部 地方税源の充実確保方策に関する調査研究
地方税源の拡充について
平成12年9月19日
関西学院大学経済学部教授 林宜嗣
I 税制改革における国税と地方税
1. 過去の税制改革の視点
租税の一般原則に基づく改革
地方税源を拡充するという意識はあったのか?
2. 過去における国税と地方税の増減税率の関係
地方税増減税率=-0.183+0.406×国税増減税率
(-0.66) (7.61)
R2=O.633 D.W.=2.09
( )内はt値
国税10%増税→地方税2.23%増税→地方税のシェア低下
国税10%減税→地方税5.89%減税→地方税のシェア拡大
3. 地方税・国税比率の変動要因
国税と地方税の配分比率は税制改革と税収弾性値の差に依存
国税・地方税比率の変動を弾力性要因と税制改正要因とに分離
II 財政規模と地方税のシェア(国際比較から見た地方税)

III 地方税源の拡充―財政錯覚排除の観点から
ブキャナン=ワグナー:複雑で間接的な負担構造は、単純で直接的な負担構造の場合よりも高い水準の財政支出をもたらすような財政錯覚を生み出す
ダウンズ:合理的な政治的無知(納税者意識が低いのは合理的行動の結果か)