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なお、都道府県では資産課税が非常に少なく、また所得課税のうちでも法人所得課税のウェイトが高い。一方、市町村では資産課税のウェイトが高く、所得課税のうちでは個人所得課税のウェイトが高い。

 

3] 地方の基幹税目

地方の基幹税目とその性格、税収は、資料9及び資料10のとおりである。平成12年7月の政府税制調査会中期答申においては、地方税の基幹税目の中では、

・個人住民税は、地域住民が地域社会の費用の負担分任の原則の下に負担する税であり、受益と負担の明確化という観点や自治意識の涵養という点からその充実が望ましい。

・地方消費税については、福祉・教育など幅広い行政需要を賄う税として重要な役割を果たしており、今後その役割がますます重要なものになっていく。

・市町村の基幹税目である固定資産税についても、引き続きその安定的な確保に努める必要がある。

・都道府県の基幹税目である法人事業税への外形標準課税の導入は、地方分権を支える安定的な税源の確保、応益課税としての税の性格の明確化、税負担の公平の確保、経済の活性化、経済構造改革の促進等の重要な意義を有し、地方税のあり方として望ましい方向の改革であり、景気の状況等を踏まえつつ、早期に導入を図ることが必要。

などとされている。

 

【参考:負担分任】

地方税に関しては、住民誰もが同じように消費できる公共財の性格から、公共サービスに必要な費用について、地域の住民が広く負担を分かち合う負担分任性があることが望ましいとされている。

わが国においては、地方自治法第10条第2項に「住民は、法律の定めるところにより、その属する普通地方公共団体の役務の提供をひとしく受ける権利を有し、その負担を分任する義務を負う。」と定められており、このような地方自治の精神の観点も、負担分任性のある地方税が望ましいとされる理由の一つとなっている。

現行の地方税制上負担分任性のある主な税としては、住民税、特に個人住民税が挙げられる。

 

 

 

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