自分が、自分がと兄弟げんかが多くなり、それはすさまじい有様で母家と離れを素足のまゝ追っかけ回すという日々で、ヒステリックに叫ぶ妻の声が私の苛立ちを加速させるような事がしばしばであった。
○月○日
今日は学校で兄弟げんかをしたそうで、学校の廊下を二人で追っかけながらのけんかだったと先生から教えていただいた。考えてみれば、Aにとっては一人占めしていた愛情を奪われた気がするであろうし、Bにしてみれば、甘えたいのにAが邪魔をする存在で、どちらの子にも愛情不足になっているのかも知れない。これからは、それぞれに一対一で、触れ合う時をもつよう心掛けなければならないと反省する。
(7) Bの自立
それまで母子三人で風呂に入っていたBは小学校五年生の半ば、「僕これからは一人で風呂に入る。」と宣言し、全く誰とも入らなくなった。Aが誘っても「いや。僕一人で入る方がええ。」と言って聞かない。
少しずつ大人になりつつあるな、と成長を喜んだり、相変らず母親べったりのAに対しもう少し成長しろよと思ってみたりした。