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手をつないでみよう

 

障害のある人についての意識調査をみますと、多くの人たちがよく理解しているように見えます。

ところが障害のある人に必要な施設を作ろうとすると、近所の人たちが反対運動を起こすことがあります。

これは理解が頭の中だけにとどまって、本当の意味で理解していないからです。

以前に、九州のある小学校でなかよし学級という障害児学級が遠足を計画しました。障害が重度の子どもが多いので大きい子どもの援助が必要です。そこで六年生に一緒に行ってもらうことになりました。遠足のあと六年の子どもは作文にこう書いています。

「遠足に行く前になかよし学級の人たちがあいさつにきました。なかよしの人とあく手するなど、とてもいやでたまらなかったけど思い切ってしました。ふつうとかわらなかったので、なんだどうもないなあと思いました。普通の人みたいだと思いました」

この子どもは同じ学校で毎日、なかよし学級の障害のある人を見てはいたのですが、からだで接触したことのない子どもは、なかよしの子どもは普通の子どもとは思ってなかったのです。

別の子どもは、

「手をつないでいくのは、なかよし学級ですときいたとき、がっかりしました。なかよしの人があいさつにきたとき、ぱっと目についたのが、のり子ちゃんでした。私はその時、あの人だけはいやだなあと思いました。ところが、そののり子ちゃんの受けもちになってしまいました。“ああ、もういやだなあ”とまた思いました。遠足の日がきました。10分ぐらいはだまって歩いてくれました。でもそれからは“もうかえる”といって、いうことを聞いてくれません」

 

 

 

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