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九十九里浜の矛盾を象徴するのがこの光景である。かたや砂浜の侵食で対策に頭を抱える一方で、場所によってはこのように過剰な砂の堆積によって施設が機能しない場所もある。砂浜は砂の供給と流失との絶妙なバランスの上に成り立っており、こうした自然のバランスをいかに調整するかが、いま求められている視点といえる。

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砂に埋もれたベンチ

 

片貝漁港の南側に広がる砂浜は、元々こんなに広くなかったんです。

沖の防波堤を斜めに伸ばしたら、南側の砂を吸い込んで、ここから3キロ近辺の砂を全部ここへ引き寄せてしまって、ここに広大な砂浜が突然できたんです。この護岸の前まで砂がたまっています。一度砂がたまってしまうと、風が吹くと飛砂が起こる。

 

護岸の前にたまっているのは全部飛砂です。そして壁の高さぎりぎりになると、いともたやすく砂が乗り越えます。

この飛砂の凄さを物語っている証拠がここにあります。

ここにベンチの背もたれらしきものと手すりらしきものが見えます。まだ新しいですね。実はこれ、以前ここの砂浜がもっと狭い時分に作られたんです。元々は海水浴場だったので、きちんと整備しようということで作られたんですが、今はこのように埋もれてしまった。だから、砂浜の海岸というのは、うんと砂が増えるとこういう問題が起こるし、削れて砂が足らなくなるとブロックだらけの海岸になってしまうし、非常に調和が難しい状態にあると思うんです。

 

 

 

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