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海難審判庁裁決録(平成11年度)

 事業名 海難審判庁裁決録の刊行配布
 団体名 海難審判・船舶事故調査協会  




1999年(平成11年)

平成11年那審第8号
    件名
貨物船リュー ゴン ダオ乗揚事件

    事件区分
乗揚事件
    言渡年月日
平成11年7月15日

    審判庁区分
地方海難審判庁
門司地方海難審判庁那覇支部

金城隆支、清重隆彦、花原敏朗
    理事官
道前洋志

    受審人
    指定海難関係人

    損害
右舷船首外板に亀裂を生じて船首倉に浸水、プロペラ翼を曲損

    原因
水路調査不十分

    主文
本件乗揚は、水路調査が十分でなかったことによって発生したものである。
    理由
(事実)
1 事件発生の年月日時刻及び場所
平成10年11月29日04時48分
沖縄県金武中城港 
2 船舶の要目
船種船名 貨物船リュー ゴン ダオ
総トン数 1,135トン
全長 69.65メートル
機関の種類 ディーゼル機関
出力 1,176キロワット
3 事実の経過
リュー ゴン ダオは、船尾船橋型の鋼製貨物船で、船長Aを含む中国人12人が乗り組み、鉄鉱石1,000トンを載せ、船首3.2メートル船尾4.2メートルの喫水をもって、平成10年11月17日中華人民共和国広東省湛江を発し、沖縄県金武中城港の中城湾新港へ向かい、途中、荒天避難のため沿岸各地で仮泊し、同月26日14時52分(現地時刻)福建省南日島を発した。
ところで、A船長が中城湾東口の二ツ口から中城湾新港へ入航するには、226号(日本版海図番号、以下同じ。)「沖縄群島」は同湾内に「海図・228B号」と注記されているだけで同湾内の灯台・浅礁等の記載がなく、また、226号には222A号の区画が印刷されていたので、同湾内の詳細が記載された228B号「中城湾」または222A号「沖縄島南部」による水路調査が必要であった。
しかしながら、A船長は、港泊図の241号「中城湾新港」と226号が備えられていたことから、226号だけで二ツ口から中城湾新港へ入航できると思い、228B号または222A号が必要であることに気付かず、中城湾の水路調査を行わなかった。
11月29日03時52分A船長は、津堅島灯台から118度(真方位、以下同じ。)3.8海里の地点で、針路を270度に定め、機関を全速力前進にかけて10.5ノットの対地速力で、二等航海士を操船補佐に、甲板手を手動操舵にそれぞれ当たらせて進行した。
04時21分A船長は、津堅島灯台から223度2.4海里の地点で、速力を6.0ノットに減じ、針路を中城湾新港に向く335度に転じたところ、平曽根灯台に向首することになったが、このことに気付かないまま続航した。
04時45分A船長は、平曽根灯台から155度800メートルの地点で、前方の灯火が灯台と分かったので、右舵をとり、機関を中立として進行中、04時48分平曽根灯台から120度370メートルの地点において、船首が000度に向いたとき平曽根に乗り揚げた。
当時、天候は晴で風力4の北東風が吹き、潮候は下げ潮の初期であった。
乗揚の結果、右舷船首外板に亀裂を生じて船首倉に浸水し、プロペラ翼を曲損したが、のち救助船により引き下ろされて修理された。

(原因)
本件乗揚は、夜間、沖縄県金武中城港の中城湾新港に入航するにあたり、水路調査が不十分で、平曽根に向首進行したことによって発生したものである。

よって主文のとおり裁決する。






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