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海難審判庁裁決録(平成11年度)

 事業名 海難審判庁裁決録の刊行配布
 団体名 海難審判・船舶事故調査協会  




1999年(平成11年)

平成10年那審第24号
    件名
旅客船ニューはてるま乗揚事件

    事件区分
乗揚事件
    言渡年月日
平成11年1月20日

    審判庁区分
地方海難審判庁
門司地方海難審判庁那覇支部

東晴二、井上卓、小金沢重充
    理事官
阿部能正

    受審人
A 職名:ニューはてるま船長 海技免状:一級小型船舶操縦士
    指定海難関係人

    損害
両舷のプロペラ、プロペラ軸及び軸ブラケットに曲損

    原因
水路調査不十分

    主文
本件乗揚は、水路調査が十分でなかったことによって発生したものである。
受審人Aを戒告する。
    理由
(事実)
1 事件発生の年月日時刻及び場所
平成10年1月31日15時33分
沖縄県八重山列島新城島上地北西方
2 船舶の要目
船種船名 旅客船ニューはてるま
総トン数 19トン
全長 24.65メートル
機関の種類 ディーゼル機関
出力 1,132キロワット
3 事実の経過
ニューはてるま(以下「はてるま」という。)は、航行区域を沿海区域(限定)とする軽合金製旅客船で、合資会社Rが船舶所有者から借り受けて沖縄県石垣港と同県波照間漁港の間で1日3往復の定期運航を行っていたものであるが、A受審人ほか1人が乗り組み、船首0.6メートル船尾1.6メートルの喫水をもって、平成10年1月31日15時00分旅客のないまま石垣港発の最終便として定時に同港を発し、波照間漁港に向かった。
ところで、A受審人は、はてるまの船長として約半年間の経験があり、石垣港から波照間漁港に向かう際には竹富島南水路及び大原航路(通称)を航行し、同航路途中の大原航路第21号立標(以下。立標の名称については「大原航路」を省略する。)付近から同航路を離れることとしており、同立標の南側近距離には浅礁が存在することは知っていた。
そして、A受審人は、平素第21号立標の南側を航行するときには浅礁に近づかないよう同立標寄りを航行するか、あるいは海面状態が良いとき同浅礁を目視しながら航行するようにしていたところ、過去なにごともなかったことから大丈夫と思い、海図により同立標と浅礁との間の距離を確認する十分な水路調査を行っていなかったばかりか、今回も十分な水路調査を行うことなく発航したもので、同立標と浅礁との間が200メートルであったが、これを把握していなかった。
こうして、A受審人は、発航後操舵室運転席に腰脚けて操船に当たり、いつものとおり竹富島南水路を経て大原航路に入り、同航路の各立標を目標にして西行し、15時30分第19号立標を左舷側近距離で通過したとき、針路を第21号立標を正船首少し右方に見る255度(真方位、以下同じ。)に定め、機関を全速力前進ににかけ、27.0ノットの対地速力で、手動操舵により進行し、同時32分少し過ぎ第21号立標から085度500メートルの地点に達したとき、大原航路から離れるため針路を245度に転じた。
その後A受審人は、第21号立標の航過距離が目測でやや遠いと感じたが、同立標とその南側の浅礁との間の距離を把握していなかったことから、浅礁については、太陽光が海面に反射して目視しにくいなか、安全にかわると考え、これに著しく接近する状況となっていることに気付かないまま続航し、15時33分第21号立標から190度200メートルの地点において、はてるまは、浅礁に乗り揚げ、擦過した。
当時、天候は晴で風力2の北風が吹き、潮候は下げ潮の末期であった。
A受審人は、直ちに機関を止め、会社に連絡するなどの事後措置を取り、石垣港に引き返した。
乗揚の結果、両舷のプロペラ、プロペラ軸及び軸ブラケットに曲損を生じ、のち修理された。

(原因)
本件乗揚は、沖縄県石垣港を同県波照間漁港に向かって発航するにあたり、付近を航行することとなっていた第21号立標とその南側の浅礁との間の距離を海図により確認する水路調査が不十分で、同立標南側付近を航行するとき、浅礁に著しく接近する状況のまま進行したことによって発生したものである。

(受審人の所為)
A受審人は、石垣港を波照間漁港に向かって発航する場合、第21号立標付近を航行する予定であったから、存在を知っていた同位標南側の浅礁に著しく接近しないよう、海図により同立標と浅礁との間の距離を確認する十分な水路調査を行うべき注意義務があった。しかるに、同人は、過去なにごともなかったことから大丈夫と思い、十分な水路調査を行わなかった職務上の過失により、同立標南側付近を航行するとき、浅礁に著しく接近する状況となっていることに気付かないまま進行して乗揚を招き、両舷のプロペラ、プロペラ軸、軸ブラケットに曲損を生じさせるに至った。
以上のA受審人の所為に対しては、海難審判法第4条第2項の規定により、同法第5条1項第3号を適用して同人を戒告する。

よって主文のとおり裁決する。






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