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海難審判庁裁決録(平成11年度)

 事業名 海難審判庁裁決録の刊行配布
 団体名 海難審判・船舶事故調査協会  




1999年(平成11年)

平成11年仙審第22号
    件名
貨物船海栄丸乗揚事件〔簡易〕

    事件区分
乗揚事件
    言渡年月日
平成11年8月31日

    審判庁区分
地方海難審判庁
仙台地方海難審判庁

高橋昭雄
    理事官
副理事官 宮川尚一

    受審人
A 職名:海栄丸船長 海技免状:四級海技士(航海)
    指定海難関係人

    損害
左舷船底外板に凹損

    原因
水路調査不十分

    主文
本件乗揚は、水路調査が十分でなかったことによって発生したものである。
受審人Aを戒告する。
適条
海難審判法第4条第2項、同法第5条第1項第3号
    理由
(事実)
1 事件発生の年月日時刻及び場所
平成11年2月24日18時45分
宮城県石巻港
2 船舶の要目
船種船名 貨物船海栄丸
総トン数 387トン
登録長 54.71メートル
機関の種類 ディーゼル機関
出力 1,103キロワット
3 事実の経過
海栄丸は、砂利採取運搬に従事する鋼製貨物船で、A受審人ほか4人が乗り組み、砂利1,100トンを満載し、船首3.4メートル船尾4.6メートルの喫水をもって、平成11年2月24日15時00分宮城県女川港を発し、千葉県木更津港に向かった。
発航後、A受審人は、揚荷時間の調整と乗組員の休養を兼ねて以前入港した船籍港である宮城県石巻港に寄港することにし、同港の航泊図を所持していなかったものの、会社の指示を受けて以前待機したことのある石巻港雲雀野防波堤灯台(以下航路標識の冠称の「石巻港」を省略する。)から340度(真方位、以下同じ。)1,600メートルのところにあたる、同港西浜町旧村上造船所跡地の護岸で待機することにした。
ところで、石巻港は、荷役用岸壁としては専ら港口から東側の岸壁が使用され、港口から西側港奥に至る間(以下「西側水路」という。)の両岸は岸壁状の護岸で形成されて造船所や工場などに資材を陸揚げする運搬船が接岸する程度であった。そして、西浜町旧村造船所跡地付近の護岸際の水深が護岸側面から約30メートル沖付近までは浅く、同護岸には大型ポンツーンを介して係岸していたが、同造船所閉鎖後はポンツーンも撤去され、喫水が1.5メートル以上の船舶は直接接岸することができない状況であった。
A受審人は、日没後に石巻港港外に至り、18時14分雲雀野防波堤灯台を通過して機関を微速力前進に減じ、さらに同時24分第3号灯浮標を通過したところで、入港配置を令して船首尾部署に各2名を配し、自ら単独で操舵操船しながら機関を更に減じて3ノットの速力で港内に向かった。
ところが、18時32分A受審人は、雲雀野防波堤灯台から010度1,800メートルにあたる、西側水路に向ける地点に至ったとき、以前ポンツーンを介して係岸した前示造船所跡地付近の護岸にポンツーンが見当たらず、そのまま砂利を満載した状態で接岸しなければならない状況であったが同護岸際まで水深が深いものと思い、同護岸際の水深について会社などに問い合わせて水路調査を十分に行うことなく、直接入船左舷付けの予定で針路を264度に定め、機関を極微速力前進とし2ノット強の速力で同水路を進行した。
18時42分A受審人は、雲雀野防波堤灯台から347度1,750メートルの地点で、針路を225度に転じて予定接岸地点に向けて続航し、同時43分半同灯台から344度1,700ートルの地点で、機関を停止して船尾錨の投下を令し、続いて右舷錨を投じる予定で徐々に右回頭しながら前進惰力で進行中、18時45分雲雀野防波堤灯台から341度1,650メートルの地点において、船首が231度を向いたとき、左舷前部船底に衝撃を受けて護岸際の浅所に乗り揚げた。
当時、天候は曇で風力2の東風が吹き、潮候は上げ潮の初期であった。
乗揚の結果、左舷船底外板に凹損を生じたが、自力で離礁して護岸から離した状態で係岸し、のち修理された。

(原因)
本件乗揚は、夜間、石巻港に接岸する際、水路調査が不十分で、直接同護岸に接岸の予定で同護岸際の浅所に向かって進行したことによって発生したものである。

(受審人の所為)
A受審人は、夜間、以前係岸したことのある石巻港港内の旧村上造船所跡地護岸に砂利を満載した状態で直接接岸しようとする場合、空船時と違って深喫水状態であったから、船底抵触のおそれの有無を判断できるよう、同護岸際の水深について会社などに問い合わせて水路調査を十分に行うべき注意義務があった。しかし、同人は、以前に同跡地護岸にポンツーンを介しながらも係岸した経験から、同護岸まで水深が深いものと思い、同水深について会社などに問い合わせて水路調査を十分に行わなかった職務上の過失により、同護岸際の水深が残いことに気付かず、直接接岸するつもりで進行して、同護岸際の浅所への乗揚を招き、左舷船底外板に凹損を生じさせるに至った。






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