17]船舶火災の拡大条件と火災伝播の現象解析(その2)フィールドモデル解析による多区画火災
福地信義、胡長洪(九州大学)、大石浩正(日立造船)、藤井壽裕(大島造船)
船舶火災の拡大条件と火災伝播現象の理解のために、多区画構造における火災伝播の様相を、区画内の乱流熱拡散、壁体間の放射熱伝達および壁体内の熱伝導を考慮したフィールドモデルにより解析した。これにより開口・破損孔がある連結空間の対流熱伝達状態および防熱構造に応じた隣接区画の延焼の成否と熱的状態を調べ、火災拡大の限界条件を明らかにした。

18]セミサブ型超大型浮体周囲の波浪減衰について(第3報)
影本浩、藤野正隆、村井基彦、石井裕司、斉藤雅宣(東京大学)
超大型浮体の支持脚群を波が透過する場合、一種の共振現象によって理論的には脚間の水面変位振幅が非常に大きくなる波長領域が存在する。入射波高を変化させた実験と不規則波中の実験を行う共に、理論計算にも再検討を加えた。

縦波中の50本円柱列の4本目と5本目の円柱間の水面変位振幅の周期応答特性(減衰なし(N=0)、減衰あり(N>0))
19]防波堤が存在する場合のポンツーン型超大型浮体の波浪中弾性応答計算法
―その1. 近似計算法―
大松重雄(船研)
本論文は、防波堤が存在する場合のポンツーン型超大型浮体の波浪中弾性応答計算法について述べたものである。本報告では防波堤による回折波浪場の効率の良い計算法及びその中での超大型浮体の弾性応答の計算法を示している。ここで示す方法は防波堤と浮体の相互干渉を無視した近似計算法であるが、計算結果は他に報告されている厳密計算の結果とほぼ一致した。本法による計算時間は防波堤が無い場合とほとんど同じである。厳密解法は次報で示す。

防波堤背後で弾性挙動する浮体まわりの波浪場
20]防波堤が存在する場合の超大型浮体式海洋構造物の係留系破壊確率推定法
齊藤昌勝、加藤俊司、大松重雄(船研)
多点係留系の安全性は超大型浮体式海洋構造物の計画において重要な評価項目の一つである。現在広く検討の対象となっている5000m級の超大型浮体式海洋構造物の係留系の破壊確率が果たしてどのくらいなのか、また、設計パラメータやモデル構築上・解析実行上の取り扱いによってどの程度変化するのかという情報は、非破壊確率の許容下限値の設定法を確立するためにも極めて有用なものであると思われる。
本論文では、防波堤を擁して東京湾に設置された5000m級の箱形浮体の多点係留系が強風波浪中で破壊する確率の推定に用いるモデルを提案し、防波堤の有無及び係留装置数に対する破壊確率の変化の状況について報告する。

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