3. 調査検討の構成
1) 各圏域における物流を取り巻く動向の整理
既存統計資料等から各圏域における物流拠点立地に影響の大きい社会資本の整備や物流拠点に関連する倉庫、トラックターミナルなどの物流拠点関連施設の立地状況と動向の整理を行った。また、物流の動向や各圏域の社会経済動向の近年の動向についても整理した。
2) 各圏域における類型別物流拠点の現状と動向の把握
平成9年度に実施したアンケート調査(倉庫協会及び冷蔵倉庫協会加盟企業への全数・全国の主要なトラック事業者を対象)から類型別物流拠点の現状と動向の整理を行った。
3) 各圏域における物流関連プロジェクト及び物流事業者の動向の把握
道県及び政令市、中核都市等に対するアンケート及びヒアリング調査から各圏における物流拠点関連プロジェクトの整理を行った。
4) 各圏域における物流拠点整備ビジョンの策定
以上を踏まえ、各圏域の担うべき役割、重点的に整備を促進すべき物流拠点の類型及びその立地に関する基本的な方向を定めるとともに、物流拠点整備ビジョンの策定を行った。
4. 各圏における物流拠点整備ビジョンの策定
3. 調査検討の構成の1)〜3)より物流拠点整備の基本方針を設定し、物流拠点整備ビジョンの策定を行った。
1) 各圏における物流拠点整備の基本方針
【北海道圏】
*流通効率化への対応を行う物流拠点
情報化をはじめ、流通効率化への対応は基本的にすべての物流拠点において促進。
*食料品の流通・備蓄に対応する物流拠点
道北・オホーツク地域などにおける出荷の季節変動に対応した中・長期保管と迅速な出荷を可能とする拠点機能の形成。
札幌市及びその周辺地域や苫小牧港周辺地域における圏域全体の中核拠点としての機能の形成。主要都市近郊のインターチェンジ周辺や臨海部おける需要に対応した拠点の立地。
*広域物流への対応を行う物流拠点
・トラックターミナル
高速道路網の結節点おける地域間物流と各都市への集配物流を円滑に中継する物流拠点の立地。大谷地流通業務団地をはじめとした札幌市及びその周辺地域における物流拠点の整備、高度化。
・複合一貫輸送に対応する拠点
苫小牧港など域内の内航定期航路を有する重要港湾の近傍におけるトラック輸送との円滑な連携を担う物流拠点の立地。
札幌貨物ターミナルや苫小牧貨物駅を中心した各地域の主要なコンテナ貨物駅やコンテナセンターの近傍におけるトラック輸送との円滑な連携を担う物流拠点の立地。
*輸入等国際物流への対応を行う物流拠点
苫小牧港の近傍や石狩湾新港、室蘭港の近傍における苫小牧地域を補完する国際物流を担う物流拠点機能の形成。新千歳空港における国際エアカーゴ基地の形成に向けた物流拠点機能の立地。
*共同輸配送を行うための物流拠点
札幌市中心部をはじめとする各都市における商業業務集積地への配送における共同化や都市間物流における共同化を図るターミナル施設の必要に応じた促進。