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はじめに

 

沖縄県は、我が国で唯一の亜熟帯地城に属し、東西1,000km、南北400kmに及び広大な海域に点在する160余りの島々から成り立っています。

沖縄の海の美しさは、サンゴ礁によって形成される礁湖(ラグーン)や礁池(イノー)が、亜熱帯の強い陽光を浴びて、七色にも八色にも彩りを放す幻想的に輝くサンゴ礁群にあり、その魅力は世界有数と言われております。

このサンゴ礁は、このような景観を提供するだけでなく、自然環境の保全や貴重な水産資源を育み、人間の生活と深く関わる場であり、その生態系の保全は極めて重要であります。

とりわけ、健全なサンゴ礁は、魅力ある海中景観を与える沖縄観光の重要な資源で、その魅力を求めて毎年多くの観光客が訪れております。

しかしながら、最近、1970年以来、オニヒトデが何度か大量発生し、サンゴが食害を受けつつあり、観光振興を図る立場から、その駆除対策が急務となっております。

このような状況を踏まえ、本調査報告書は、オニヒトデによるサンゴ礁の被害状況を把握調査するとともに、オニヒトデの生活史・生態調査・及び駆除のケーススタディーを通し、サンゴ礁の保全はもとより、オニヒトデの駆除体制の確立に向けてとりまとめました。

オニヒトデに関する研究は、世界的にされているものの、その自然界における繁殖のメカニズムは定説がなく、その駆除対策について十分な検討を行うことは極めて難しい状況にありますが、サンゴの保全とオニヒトデ駆除に、報告書がご活用いただければ望外の喜びであります。

最後に、この調査事業を実施するにあたり、財団法人亜熱帯総合研究所副理事長 山里清委員長をはじめ、調査委員の皆様の熱心なご審議を賜り、また、読谷村漁業協同組合、恩納村漁業協同組合の漁業関係者、並びに観光関連業界の皆様の多大なご協力を頂きました。

なお、ご尽力頂きました関係各位に心から感謝申し上げます。

 

財団法人

沖縄観光コンベンションビューロー

理事長 饒波正之

 

 

 

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