おわりに
本報告では、神戸港湾地域をモデルとして循環型経済システム構築の重要要素であるリサイクル施設を総合的に整備することを考えてきた。関西地域という大きな人口集積、産業集積を抱える地域においては、リサイクル拠点整備は必要不可欠なインフラであり、排出物量や目標リサイクル率達成の観点からは、新たなリサイクル拠点形成のニーズは十分にあることが改めて認識された。
しかし、こうしたニーズの認識の上に立っても、「リサイクル拠点整備の対象地が、なぜ神戸港湾地区なのか。他にもっと適正な利用方法はないのか。」というリサイクル拠点に対するネガティブな意識が根強く残っていることも否めない。これは環境処理産業のニーズは理解できても、近隣にその施設は要らないという「NIMBY:Not in my back yard」の意識に通じるものがある。
循環型経済への移行が強く要請され、産業界もその対応に躊躇すれぱ、その企業存続にさえ影響を及ぼしかねない状況がますます強くなっている今日、地域としてリサイクル拠点整備に遅れをとれば、後背地産業はもとより都市の盛衰をも左右しかねない、由々しい問題を惹起する恐れが多分にある。
したがって、今回の検討が、関西地域の産業界が、自分の問題としてリサイクル拠点整備を考える火付け役になることを願い、自治体、学識経験者、市民を巻き込んだリサイクルシステム形成の議論が継続して行える場が設定されることを望んでいる。