しかし、その70%は焼却や直接埋立てされており、焼却時のダイオキシンなどの有害物質発生や焼却施設の炉材や配管材の侵食が問題になっている。したがって、容器包装製品中の塩ビだけでなく、建設廃棄物、農業用、使用済み自動車、廃家電など、あらゆる分野からの塩ビ排出物が厄介物となっているのが実状である。
塩ビは、そのコストパフォーマンスが良いこと、対候性に優れること、パイプ材として最適なことなどから、廃棄物が厄介物だからといって他材料に切りかえるのはむずかしい。その上、食塩(NaCl)から電気分解され同時製造されるNa分は化学原料のカセイソーダとして化学工業の基礎原料となっていることから、そのバランスとして生産される塩素を消費する用途先がないと、化学工業全体のバランスが崩れるという問題もあり、塩ビを製造中止にすることはできない。
そこで、図-3・5に示すように、高炉原料化、セメント原料化、油化などの新しいリサイクル法を今後開発しなくてはならないが、いずれにしても、塩素分は事前処理で分離しておかなければならない。前述した容器包装製品リサイクル関係で神戸港湾地域に整備する施設として、塩ビの分別、塩酸回収などを集中的に事前処理するプラントの設置を提案したが、そのプラントでは、容器包装リサイクルのみならず、建設廃棄物、廃自動車、廃家電、農業用などあらゆる塩ビを事前処理することを目的としている。