3-2 地方公共団体の取組み
国の「循環型経済システム構築」の基本的な考え方に基づいて、国は地域を対象に「エコタウン事業」制度を1997年にスタートさせている。この事業は、個々の地域におけるこれまでの産業集積を生かした環境産業の振興を通じた地域振興、および当該地域の独自性を踏まえた廃棄物の発生抑制やリサイクルの推進を通じた循環型経済システムの構築を目的として創設されたものである。具体的には、広域行政主体である地方公共団体が策定した「エコタウンプラン」に独創性があり、かつ他の地方公共団体のモデルとなりうる熟度の高い計画として見とめられれば、厚生省と通産省が共同でこれを承認するしくみである。
承認されたプランに基づく廃棄物処理施設、リサイクル施設などのハード面、環境関連情報提供事業などのソフト面にも総合的、多面的な助成措置があり、概ね事業費の1/2までの支援が受けられる。
これまでの承認地域は表-3・2に示すように、平成9年から11年の東北地方の2件までで合計9地域が認定されている。これらの内、川崎市、北九州市、大牟田市、千葉県は港湾地区にエコタウンが整備されていることから、神戸港湾地域での検討に大いに参考になる。北九州市のエコタウンについては、後章で詳述することにしている。
このように、地方公共団体が中心になって国のエコタウン事業の承認を受け、産官学、住民が一体となって「循環型経済システム」構築に具体的に動き出したことが伺えるが、関西地域、中部地域の人口・産業集積の高い都市部では未だその具体的な計画が見えてこず、出遅れた感がある。特に、関西地方は日本の人口の17%を占める日本第2の都市圏であることや、素材・機械・環境装置などの高い産業集積を示すことから、地域の必須インフラとして、こうした総合的な計画を早急に練り上げていくことが、都市間競争力向上の意味からもぜひ必要である。
エコタウン事業の承認の条件に「独創的で、他自治体のモデルになる、熟度の高い事業計画であること。」とうたわれているが、もはや、独創性や他地域の模範になるということは意味を失いつつあると考えられ、「地域に必要なインフラを、効率よく運営できる事業」という観点に基づき計画を練るべきと考えられる。
本検討委員会では、「なぜ神戸港湾地域に限定して検討するのか」という意見が多く聞かれたが、関西地域に必要な基本インフラについて神戸港湾地域を例にとって検討するということであり、必ずしも「エコタウン事業承認」に向けた検討でないことは明言しておく必要があろう。