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第3章 神戸港湾地区でのリサイクル拠点整備のニーズ

 

これまでの章で、神戸港の港勢の低迷状況、廃棄物の一般状況、品目別のリサイクル状況などについてみてきたが、本章では、これらを踏まえて、国や地方公共団体等の動きなどを参考にしながら、神戸港湾地区でのリサイクル拠点整備の必要性を考察してみたい。

 

3-1 国の循環型経済システム構築への取組み

 

地球規模での環境問題の深刻化、廃棄物量の増加と最終処分場の新規立地の困難性、資源の有限性などを背景に、経済の持続的発展を維持して行くために「循環型経済システムの構築」の必要性が強く認識されるようになり、国や地方公共団体はその対応にこれまで以上に積極的な姿勢を示している。

従来は、環境・資源制約を経済社会のコストとしてのみ捉え、環境対応コストは負の経費と考えがちで、問題が発生するたびごとに対症療法的に対策をとる傾向にあった。しかし、種々の制約に対して、総合的かつ予防的に対処することが、将来の大きなプラスの財産になるいう「マイナス・コスト」から「プラス・コスト」への考え方の変換が必要となる。

厚生省をはじめ、通産省、建設省、農林水産省、環境庁などが中心になり、「循環型経済システムの構築」にむけて様々な施策を打ち出している。その一環が、第2章で述べた「廃掃法の改正」「リサイクル法の制定」「容器包装リサイクル法」「家電リサイクル法」などである。図-3・1に通産省のリサイクル政策の全体像を示す。

産業構造審議会・地球環境部会、廃棄物・リサイクル部会は共同で、1999年11月、「循環型経済システム構築にむけて」という報告書を発表し、「循環型経済システム」構築に向けての考え方を明らかにしている。その中では、

1]循環型経済システムのコンセプト

2]循環型経済システム構築にむけた廃棄物・リサイクル対策の再構築

3]1R(Recycle)から3R(+Reduce、Reuse)への取り組み強化

4]各主体の役割分担

5]個別分野ごとの課題

などが盛り込まれている。各分野ごとの課題をまとめたものの中から、品目別のリサイクルガイドラインの最新の見直し版の抜粋を表-3・1に示した。これによると、単なるリサイクルではなく、Reuse(再使用)やReduce(廃棄物排出減量)への取組み強化がうたわれている。

この「循環型経済システム」への転換にむけて克服しなければならない課題は、社会全体における廃棄物・リサイクル対策を始めとする取組みの実施に係わるコストが適性に内部化されること、製造事業者、流通事業者、消費者、行政の各主体が担うべき役割分担のルール化が社会の明確な制度として確立すること、取組みに関する情報提供・開示のルール・枠組みが確立することなどが重要とされる。

 

 

 

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