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最近の重大災害事例から

 

ご承知のように平成9年、10年は重大災害が頻発しここ数年で最も不本意な安全成績となりました。このような事態を重く受け止め当連合会は技術安全委員会等で議論し、類似災害の再発防止の観点から重大災害について現地ヒヤリング調査を行い、安全活動の資として活用させていただくこと等の対策を講ずることとしました。

ここに紹介する事例は最近の重大災害事例の一部ですが、こうした趣旨に沿って、技術安全委員会において取りまとめたもので、類似災害防止の資としてご活用いただければ幸いです。

 

(動力運搬機)

 

災害事例 1

 

036-1.gif

 

発生日時 平成11年2月 火曜日 午前11時5分頃

発生場所 建造船 フェリー車両甲板の昇降通路 (ランプウェイ)

従事作業 ランプウェイ左舷側壁の塗装前研磨作業

被災者 塗装工 62歳(経験15年) 外傷性くも膜下出血により死亡

 

発生状況 本人は高所作業車の籠に乗り込み、塗装前の研磨作業に従事。籠を下げて作業。さらに下部を作業するため籠を下げようとして誤って「伸縮」レバーを操作(推定。逆に「伸縮」レバー操作後、寵を下げた可能性もあり)。作業車はムーブ先端と遊動輪(ステアリング)の3点で支えられた状態になり、遊動輪が転がり始め、ムーブ先端もランプウェイ上を滑走して傾斜面を下り、約16m下の左舷側壁に激突した。本人は、大きく振られたブームとともに籠もろとも反対右舷側壁にたたきつけられた。

原因

1]「伸縮」レバー、もしくは「上下」レバーの操作ミス。

2]傾斜面での作業であった。

対策

1]操作要領の徹底、再教育。

2]傾斜面作業を特別管理とし作業管理方法を見直す。

 

 

 

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